特別養護老人ホームみやびのその ホール
特別養護老人ホームみやびのその ホール
特別養護老人ホームみやびのその 多床室
特別養護老人ホームみやびのその ホール
撮影:Daijiro Okada
KYOTO
miyabinosono
施設名称:みやびのその
所在地:京都市伏見区
主要用途:特別養護老人ホーム
ショートステイ
デイサービス
居宅介護支援センター
構造規模:大規模改修工事
多床室の個室化
福祉施設の改装計画です。
多床室型の特別養護老人ホームを主要用途として1992年に建設された本施設ですが、時代とともに介護方針の変化や、求められる居住環境の高まりなど、時代の変化と建物性能に乖離が生じていました。そこで、大規模修繕に合わせ、「多床室の個室化」、「温熱環境の向上」、そして、「新しい価値の付加」を目標に改装をおこないました。
まず、本建物の建築構成上の大きな特徴である「吹抜けを持つホール」、開放的な空間を実現する一方で、温熱環境的にはネックとなり、酷暑期や厳寒期には決して居心地の良い場所とはいえませんでした。そこで空気の流れを整理し、温熱性能を安定させると同時に、ホールを取り囲む壁すべてを本棚とし、照明と合わせ、温かみのある居心地の良い図書館のような雰囲気をつくりました。
多床室型の居室は可動間仕切で個室化しました。断熱材の全く入っていなかった外壁・界壁には断熱パネルを施工、気密性が低いアルミサッシはインナーサッシを取付けました。また、共用部の開口部サッシ交換や給気排気のバランスにより、空気の流れをコントロールし、居住性能を高めています。
介護施設としての基本はしっかりと、ただそれだけでなく、普段の居場所として、また、なかなか外出など外の刺激を得にくい入所者の方の毎日が明るいものになるようなことを目指した計画です。